当院で実際に治療を受けられた犬・猫の歯科症例写真です。処置前と処置後の状態を比較してご紹介します。
当院では歯石除去を含め、すべての歯科治療をマイクロスコープ下にて施術しています。
また、歯周病、歯内治療や歯周外科、歯周再生治療等の一般的な動物病院では治療が困難な症例についても対応が可能です。
※症例写真・治療内容について
・本治療は各患者さま固有の症例に対応したものであり、他の方への治療結果を保証するものではありません。
・病状により希望された内容通りに治療が出来ない場合があります。
・麻酔にはリスクが伴います。術中・術後に予期せぬ死亡の可能性が少なからずあります。
・再生治療はすべての患者様に対して適応されるものではなく、最低でも2回以上の全身麻酔下での治療が必要になります。
#歯周病 #残根 #残根抜去 #慢性根尖膿瘍
主 訴 | 歯周病の治療を希望 |
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動 物 | 中型犬 | 年 齢 | 11歳 |
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種 類 | 柴犬 | 費 用 | 9.5万円 |
治 療 方 法 | 歯周基本治療、残根抜去、Er.YAGレーザー |
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コ メ ン ト | 当院に来院される2年前に歯科処置をかかりつけ病院にて施術していた為、縁上歯石の沈着は軽微でした。また、毎日歯磨きシートと口腔用ジェルで1日1回は歯磨きをされていた為、プラークコントロールもしっかりとされていました。しかしながら、そうした状況であっても歯肉縁下の歯周病は進行しており、全体的に歯根側への骨吸収が起こっていました。また、過去の歯科処置の影響なのか、それとも歯の骨吸収が原因か、硬いものを噛んだ結果による破折が原因かわかりませんが、x-ray検査にて両側上顎の歯肉内に埋没した残根(Root Stump)があることがわかり、基本歯周治療の後、マイクロスコープ下にて残根の抜去処置を行いました。完全に歯肉内に埋没してしまった部位は歯肉を切開し、骨を露出させて残根の周りの顎骨をバーで全周切削、エレベータで歯を脱臼させて抜去しました。歯の一部が見えていた残根は感染を起こして歯根部周辺で膿瘍形成をしていました。抜歯している最中に歯肉から排膿(Pus discharge)が確認されました。抜歯後にEr.YAGレーザーにて抜歯窩の洗浄・殺菌・不良肉芽組織の除去を行いました。 |
予 後 | 何らかの原因により歯が折れ、残ってしまった歯根(残根)を放置すると細菌が増殖し、感染症を引き起こす可能性があります。今回のケースでは、片側は完全に歯肉内に埋没していた為、感染症は起こしていませんでしたが、反対側は歯肉に歯の一部が露出していた為、歯髄感染を起こし歯根部周辺で膿瘍を形成し、歯肉に内歯瘻(歯の根の周囲の感染が原因で、膿が歯茎にトンネル状に排出される状態)という形で排膿していました。今回のように抜歯後に、その部位を徹底的に洗浄・殺菌することで合併症のリスクを軽減し、治癒を促進することができます。残根を放置すると周辺の歯へも影響を及ぼす事から、発見した場合は速やかに抜去する事が望ましいです。ただし、歯科処置で歯根部のアンキローシスが原因で抜歯ができず、歯冠切除し残根せざるを得ないこともあります。そういった残根の場合は症状がないかぎり抜歯しません。 |
※治療当時の費用であり、病状や処置内容により費用が異なる場合がございます。
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