当院で実際に治療を受けられた犬・猫の歯科症例写真です。処置前と処置後の状態を比較してご紹介します。
当院では歯石除去を含め、すべての歯科治療をマイクロスコープ下にて施術しています。
また、歯周病、歯内治療や歯周外科、歯周再生治療等の一般的な動物病院では治療が困難な症例についても対応が可能です。
※症例写真・治療内容について
・本治療は各患者さま固有の症例に対応したものであり、他の方への治療結果を保証するものではありません。
・病状により希望された内容通りに治療が出来ない場合があります。
・麻酔にはリスクが伴います。術中・術後に予期せぬ死亡の可能性が少なからずあります。
・再生治療はすべての患者様に対して適応されるものではなく、最低でも2回以上の全身麻酔下での治療が必要になります。
#乳歯抜歯 #未萌出歯 #歯肉開窓術
Before
After
one and a half years later
主 訴 | 去勢手術時に両側上下顎犬歯の晩期残存乳歯の抜歯を希望 |
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動 物 | 小型犬 | 年 齢 | 7か月 |
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種 類 | ビションフリーゼ | 費 用 | 1.7万円(麻酔・去勢手術含まず) |
治 療 方 法 | 晩期残存乳歯抜歯、歯肉開窓術 |
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コ メ ン ト | 小型犬に多い晩期残存乳歯の抜歯処置を去勢手術に合わせて実施しました。両側上・下の犬歯の乳歯が残っており、そのままにしておくと歯列異常や歯周病の原因になるため全部抜歯しました。 また歯科レントゲン検査にて両側下顎の第1前臼歯が埋伏しているのが分かりました。肉眼では完全に歯肉に覆われており、未萌出(歯肉の中に埋まっていて、口腔内に生えてこない状態の歯)状態でした。レントゲン検査上では骨の中には埋まっておらず、歯肉下にあると判断、歯肉の開窓術による治療を実施(炭酸ガスレーザーを用いて歯肉を蒸散させて歯を露出)しました。 下顎の第1前臼歯が埋伏状態になってしまう理由は様々ですが、今回の場合は下唇小帯(下唇の内側と歯肉の間にあるヒダ状組織)の存在が主要因であると思われます。ちょうど歯肉への付着部に位置している事から周辺歯肉が固くなっていたことで歯が萌出できなかった可能性が高いです。 |
予 後 | 下顎の第1前臼歯の埋伏歯は比較的よく認められます。埋伏歯は29~49%で歯原性嚢胞が形成されるという調査研究報告があります。歯原性嚢胞は、放置すると拡大し、局所的な骨破壊を引き起こしたり、病的な骨折につながったりすることもあります。その為、進行程度により嚢胞周辺の歯を全て抜歯しなければならなくなる事もあります。埋伏歯をそのままにしておくことは悪手です。肉眼では見逃すため、埋伏歯の確定診断にはレントゲン検査、またはCT検査が必須です。 今回、未萌出の歯は骨内はおらず、歯肉開窓術にて硬い歯肉を除去することで歯の萌出を促しています。幸い、再び埋伏せずに歯はしっかりと萌出されました。 現在は、炭酸ガスレーザーとEr.YAGレーザー両方での治療が可能です。炭酸ガスレーザーの欠点は蒸散部が炭化(焦げ付く)してしまうのと周辺組織へのダメージがEr.YAGレーザーと比べて大きい事です。それぞれに長所と短所があるので、使い分けています。 1年半後に撮影した写真では、歯肉開窓部より歯がしっかりと萌出しており、レントゲン上でも処置前は傾斜していたのが真っ直ぐに生えているのがわかります。また嚢胞形成もありません。 |
※治療当時の費用であり、病状や処置内容により費用が異なる場合がございます。
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