歯科キャンペーンが始まってから多くの方に歯石除去をしていただいております。

今回は、歯石除去を行なった症例の報告です。

歯石除去を行なったのは14歳のワンちゃんです。

かなり高齢ではありましたが、なかなか自宅では歯磨きが出来ず、口も見せてくれない為、今回の歯科キャンペーンで歯石除去を行なうことになりました。

高齢な犬では麻酔に対するリスクが高くなりますが、事前に行なった身体検査や血液検査、レントゲン検査において異常が認められなかったことから全身麻酔下にて歯石除去を行なうことになりました。

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短頭種でしたのでbeforeがあまり上手く写真が撮れておりません。右側の写真は超音波スケーラーを用いて歯石を除去した後、2種類の研磨剤を用いて歯を磨きあげた(ポリッシング)後の歯です。年齢も年齢でしたので歯石が再接着を起こしにくくするための処置です。写真では分かりませんが、細かい凹凸がなくなり歯がツルツルになっております。

当院ではチワワなどの小型で歯が小さい犬種や軽度~中程度の歯石であれば鎮静下にて歯石除去を行なう方法と全身麻酔下にてしっかりと歯石除去を行なう方法の2通りを行なっております。

それぞれにメリットとデメリットがありますが、動物医療における歯石除去は全身麻酔下が基本です。犬種や大きさ、歯の本数によって異なりますが、歯石除去を行なうには最低でも処置に30分程度はかかります。その上、研磨剤で歯をしっかりと磨きあげる処置等を行なうと概ね1時間前後かかってしまいます。

単に歯石除去だけを行なう場合は、鎮静下の方が簡便(全身状態に問題がなければ)で費用も麻酔よりも安価になります。ただし、その分、しっかりと歯磨きをしないと歯石は短期間で再接着することになります。鎮静下でもポリッシングは行なってはおりますが、歯の裏側や奥歯の処置が時間的に厳しくなることが多い為、不十分になってしまう事があります。