先日、東京で開催されたセミナーに参加してきましたが、雪がない環境の快適さを再認識してしまいました。

セミナー会場にて再会した知人に、今年の雪は重たいので除雪が大変で身体的疲労が辛いと話すと「でも北海道は食べ物が美味しい」としか返されないのです…つまり、北海道の利点は、夏が過ごしやすく、食べ物が美味しいの2点だけしかない…まぁ、そうなのですが…

札幌に来て10年ちょっと経過しますが、今更ながら少々ホームシックな感じに陥ってしまいました…。

さて、今回は当院にある医療機器「炭酸ガスレーザー」を用いた施術症例の1例です。

症例は高齢のフェレットさんで、インスリノーマという低血糖を起こす病気にかかっている患者さんです。

3ヶ月程前からお腹に湿疹が出来て、痂皮が剥がれて出血しているとの主訴にて来院されました。

予約当初では皮膚病かなと思いましたが、来院されて診てみると明らかに皮膚に形成された腫瘤でした。大きさは10×9×3mm程で、表面はカリフラワー様になっており組織がもろく、恐らく、そこを気にして舐めていたために出血、痂皮形成を繰り返していたと思われました。

基本的には腫瘤を切除することが根治療法としては最適です。ただし、この患者さんは一般状態は安定していますが、低血糖による発作を何度も起こしている為、麻酔をかけて切除・病理組織検査に出すという一連の作業に難がある感じです。

そこで登場したのが、炭酸ガスレーザーです。炭酸ガスはこの手の皮膚腫瘤の処置には最適な医療機器です。

炭酸ガスレーザーは水分を含むものによく吸収される性質を持っているので、皮膚に照射すると一瞬にして熱エネルギーに転換して組織を蒸散させることが可能です。そして、短時間に高エネルギーを局所的に照射することができるため、治療時間が短く、皮膚組織の損傷を最小限にすることができます。また、レーザーを照射した周辺の血管は熱凝固作用で瞬時に固まるため、メスで切除するよりも出血がほとんどないのが特長です。大きさが小さい場合は、無麻酔で行いますが、大きい場合は熱照射の時間が長くなる分、痛みが発生しますので、局所麻酔注射にて感覚を麻痺させてから処置を施します。局所麻酔自体が痛みを伴いますが、安全にレーザー照射を行うためには必須の処置なのでそこは耐えていただく必要があります。

写真では分かりづらい感じですが、腫瘤を炭酸ガスレーザーで蒸散し、周辺組織の取り残しがないように照射しています。レーザー蒸散により組織が炭化しますので、黒っぽい痂皮様のものが形成されます。照射周辺が赤いのは局所麻酔の注射の跡と照射後の炎症反応です。赤みに関しては大きさや深さにより異なりますが、数日間で赤みや腫れは引いてきます。

炭酸ガスレーザーによる蒸散の2週間後の写真です。薄っすら照射部位に跡が残る程度でほとんど見た目にはわかりません。処置時に剃毛していますので、発毛すれば全くわからなくなります。今回の写真は2週間後ですが、処置後1週間後には痂皮が取れてきれいになっていたとのことでした。

局所麻酔による副作用や周辺組織へのダメージもなく、現在のところ再発もなく、穏やかに過ごしています。とてもよい仕上がりだと思います。

炭酸ガスレーザーの施術に関するメリット・デメリット・費用など

【メリット】腫瘤の大きさにより無麻酔下での処置も可能、出血がほとんどない、外来時間で対応可能、抜糸の必要性がない、処置時間が短い、切除と比較し安価、繰り返し処置が可能、ダウンタイムが短い

【デメリット・副作用】適応には限りがある、術部の炎症反応により舐め壊しが起きる可能性、腫瘤の再発、瘢痕化、局所麻酔によるショック

【施術費用】¥1500 ~ ¥7000/箇所(税別):大きさ、局所麻酔の有無により費用が異なります。