季節の変わり目、クシャミ・鼻水がどうにも止まらない日々が続いております。

自宅の方では特に問題ないのですが、病院のある厚別区に来ると症状がでるので、何かに対するアレルギー反応のようです。近くに野幌森林公園があったり、近くに野原があったりするので樹木・草・花の影響かのかと思っております。

さて、今回は歯科疾患の中でも遭遇率の高い、歯におきた問題を1つ取り上げます。

それは、「臼歯(上顎第4前臼歯)における平板歯折」です。

読んで字のごとく「歯が平らな板状に折れた」状態の事を云います。

犬の臼歯はヒトのそれとは異なり、噛み切ることに特化しています(別名:裂肉歯)。

つまり、ヒトの歯は噛みつぶす事が主なので、その呼び名のとおり「臼」型になっていますが、犬の場合は噛み切る事が主なので「山」型になっています。

その為、山の頂点に過度の負荷がかかるとその部位が砕けたり、亀裂が入ったりという問題が発生します。

この問題の大半は「堅すぎるオヤツ」を与えていたことによってみられます。

その堅いオヤツの代表格となっているのが「牛・馬のひづめ」や「豚耳」です。

動物歯科専門医の先生曰く、堅すぎるオヤツには研磨作用(はみがき効果)は乏しく、ストレス解消にはなるかもしれませんが、歯折など悪い面の方が多い為、「与えるべきではない」と断言しております。

当院でも何例も平板歯折の症例を診ておりますが、その殆どが過去に歯折が起きており(割れた事に気がつかず)、そこに歯石が付着し、歯石除去の際に気がつくことが多く、最終的には感染を伴ったり、痛みが激しかった場合などは抜歯せざるを得ない状況になっていることがあります。

歯折直後(可能であればその日)であれば歯髄への感染をコントロールしやすく、レジンなどで歯折部位を修復することが可能なのですが、殆どの場合、早くても3~4日、遅い場合は数ヶ月後に来院されることが多いのでなかなか抜歯しないでの修復が難しいのが現状です。

上の写真の症例は、歯折してから数日が経過しており、疼痛や歯折範囲が大きく、修復しても後日に感染を起こすリスクが高かった為、歯冠修復ではなく、抜歯処置となりました。

ひづめや豚耳を食べて必ず歯折が起きるわけではありません。しかしながら、大型犬でさえ、堅さに耐えられずに歯折してしまうものを小型犬や中型犬にわざわざ与えるのは避けた方がよろしいでしょう。

割れても無症状の犬もいますが、後日(数年後かもしれません)に根尖膿瘍の原因になることがあります。

どうしても豚耳やひづめ、その他高いオヤツを与えなくてはいけないのであれば、そういった危険性を伴うと云うことを十分に理解した上で与えて下さい。ちなみに、私はお勧めはしません。