師走はいろいろと慌ただしく、気がつけばあっという間にもうすぐ年末を迎えようとしております。

この時期はX’masや年末年始といった各種イベントがあり、ご馳走もたくさんあることから、犬や猫にとっては誤食が多くなる時期でもあります。

誤食は食物や薬物が多いと以前のブログにも書きましたが、飼主様が全く気がつかずにひっそりと得体のしれない物を実は誤食していたという場合が時々あります。

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嘔吐と食欲不振を主訴に来院された患者さんの腹部レントゲン画像です。写真中央部に位置するのが胃で、胃の中にだるまのような形をした異物があります。小型~中型犬であれば小腸や大腸にある異物は腹部触診上にて判明することが多々ありますが、胃の中は異物で明らかに胃拡張を起こしていない限りはなかなか触診上で判断するのが難しいです。

胃の中にあるものであれば、小さければ吐かせる処置で出せる場合がありますが、大きかったり鋭利なものは吐かせる事はできません。その様な場合は内視鏡で摘出するのが理想的ではありますが、今回の場合は異物が胃の中ではなく、実は既に小腸の中に入り込んでしまっていた(超音波検査で判明)為、内視鏡での摘出が不適になり開腹手術(小腸切開)にて摘出する事態となりました。

無事に手術も終わり、摘出した異物です。

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ふくろうの木彫り人形・・・

異物を飼主様に見せると心当たりが全くなく、家にもそのような物はないとのことでした。

異物に対して全く心当たりがないため、いったい何時どこで食べたのかも分からない物体という事になりました。

もしかしたら、だいぶ前に誤食していて、ずっと胃の中にあったものが何かの拍子に腸に詰まってしまった事で今回の症状がでて発見されたという事なのかもしれません。これだけ大きな異物なので何らかの症状はあるはずなのですけどね・・・。以前に数年前に誤食した梅干しの種がある日、腸に詰まって手術したという経験がありましたので、ない話ではありません。

ワンちゃんたちは散歩中に落ちているもを普通に口に咥えてしまいます。そして遊んでいるつもりがそのまま誤って飲み込んでしまうこともしばしばです。

この時期は雪が降るため、雪が異物を被ってしまいます。その為、雪を食べてしまうと誤って異物を飲み込んでしまう可能性もありますので、注意が必要です。雪を食べてしまうワンちゃんは十分に気をつけてください。

また、散歩中も何か食べたり、口に含んだりしていないかよく観察してあげてください。