連日、SARS-Cov-2のニュースばかりで、憂鬱な毎日です。

先日、ベルギーへ人から猫へのSARS-Cov-2の感染が確認されたとも報道されました。

飼主に新型コロナウイルスの症状が出てから1週間後に、ペットの猫も下痢や嘔吐、呼吸困難の症状を示し、後に感染が確認されました。

猫の感染が確認されたのは世界で初めてで、現在、猫は回復に向かっているということです。

保健当局は今回のケースを非常に珍しいとしつつも、感染者は、念のためペットとの濃厚接触を避けるよう呼びかけています。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、以下の内容を推奨しています。

「COVID-19 に感染している場合は、伴侶動物やそのほかの動物との接触を、そのほかの人に対するものと同様に、制限すること。伴侶動物やそのほかの病気が COVID-19 に罹患して症状が出たという報告はないが、COVID-19 の罹患者は伴侶動物への接触を制限するべきである。可能であれば、病気の間は家族の別の人が世話をしてほしい。COVID-19 にかかっている場合は、なでる、くっつく、キスする、なめる、同じ食べ物を食べることも含めて、伴侶動物との直接の接触は可能な限り避けるべきである。病気の間に伴侶動物の世話をする必要や近くにいる必要がある場合は、触る前後に手洗いをしてマスクをつけるなど、よい衛生状態を保つべきである。」

また、WSAVAが、犬猫におけるコロナウイルス感染症と新型コロナウイルス感染症のウイルスの違いに関して解説していたので、抜粋します。

コロナウイルスはコロナウイルス科に属している。アルファおよびベータコロナウイルスは通常哺乳類に感染し、ガンマおよびデルタコロナウイルスは通常鳥類や魚類に感染する。

犬で軽度の下痢を起こす犬コロナウイルスおよび猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因となりうる猫コロナウイルスは、いずれもアルファコロナウイルス属である。これらのコロナウイルスは今回の発生には関係がない。

ベータコロナウイルスに属する SARS-Cov-2 が発見されるまでは、6 種類のコロナウイルスしか人に感染し呼吸器症状を引き起こすことが知られていなかった。この中には SARS(サーズ:重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス(2002 年~2003 年に同定)や中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(2012 年に同定)が含まれる。

SARS-Cov-2 は SARS や MERS に遺伝的に近いものの、これらはコウモリ由来のベータコロナウイルスである。

つまり、以前の投稿にも書いてありますが、現在流通しているワクチンが新型コロナウイルスに対する交叉的な防禦能を示すというエビデンスは全く存在しない。

犬猫に罹患した場合の有効な治療法は、人と同様にいまだに確立されていません。治療法もわかりません。

人と同様に、手洗いなどを施して罹患しないように心がけるしかありません。

当院では可能な限り新型コロナウイルスの拡散防止に務めています。

完全予約制による人の出入りの制限。待合室の椅子の設置間隔の拡張。診察毎に診察台や各扉の取っ手、床や壁の消毒(アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水)。椅子の消毒。診察毎の石鹸での手洗いの徹底。エアロゾルに対して待合・診察室の次亜塩素酸噴霧消毒、etc

以上の事を普段から行ってはおりますが、より徹底して行っております。

当院から来院される皆様へのお願いがあります。

大人数での病院への来院は可能な限りご遠慮ください。狭い診察室内においては可能な限り、接触は避けるべきと考えております。診療に対して決定権をお持ちの代表の方のみの来院をお願いします。それ以外の方は車内等での待機をお願いします。目を離すことができないような小さなお子様の場合は、そのままお連れください。

いつ終息するか不明の感染症ですので、可能な限り蔓延させないよう、ご協力をお願い致します。

当院は完全予約制ですので、できる限りの安全性を維持しつつ、皆様のご来院をお待ちしております。